厚生労働省は20日、国民年金保険料の納付猶予制度の見直しについて、2030年6月までの実施期限を延長する案を社会保障審議会年金部会で示しました。延長の幅は5〜10年で今後検討するとしています。また適用要件について、被保険者、配偶者の前年所得が一定以下であることを要件としているところ、世帯主を加え、同居する親などに一定以上の前年所得がある場合、適用対象外とする案を示しました。年内に詳細を詰め、来年の通常国会に関連法案を提出する方針です。
厚生労働省は、3日から単身者で他の公的年金を受け取っていない人の老齢年金について電子申請で請求手続がきるようにした。事前準備ができている場合、スマートフォンなどで「マイナポータル」にアクセスすると、15分程度で申請が完了するという。3日より電子申請が可能なのは24年度に65歳を迎える人の1割程度程度にとどまり、今後は配偶者がいる人も対象とするため、対応を急ぐ。
厚生労働省は、企業年金の運用成績などを他社と比較できる形で開示する案を24日の社会保障審議会で示し、大筋で了承されました。同省が各年金の成績を取りまとめ、一般に開示する方向。比較しやすくすることで加入者の利益につなげる効果を期待し、4年末までに、開示項目や開示方法を含めて結論を得ます。
厚生労働省は国民年金保険料の支払い手段を拡充し、2024年3月末までに「ねんきんネット」を活用して納付書なしで納付できる方法を導入。ねんきんネットを介した支払いでは、電子決済サービス「Pay-easy(ペイジー)」やネットバンキングが使えます。申請の電子化も進め、23年度中にマイナポータル経由の口座振替を電子申請できるようにします。
厚生労働省の社会保障審議会年金部会は、自営業やフリーランスの育児支援策として、国民年金の保険料を育児中に免除する措置の検討を開始しました。現行では産前産後の4カ月間、母親だけ免除されていますが、これを1年に延ばす案を軸に検討。対象を父親にも広げるかどうかなども検討します。早ければ来年の通常国会に法案を提出するようです。
厚生労働省の発表によると、2022年度の国民年金保険料の納付率は前年度から2.2ポイント増の76.1%となり、11年連続で上昇しました。各年度の納付期限を過ぎた後、過去2年分までさかのぼって支払うことができる分を含めた最終納付率は80.7%と、初めて80%を超えました。
厚生労働省は、2023年度の公的年金の支給額を22年度に比べて引き上げることを発表しました。23年度中に68歳以上になるケースで1.9%増、67歳以下は2.2%増となります。
2022年の物価高を反映し3年ぶりの引上げとなりましたが、年金額の伸びを抑える「マクロ経済スライド」を3年ぶりに発動するため、増加率は0.6%目減りしています。
国民年金基金連合会のまとめにより、企業型確定拠出年金で約112万人分の年金資産が放置された状態になっていることが分かりました。転職時などに必要な手続きを取らなかったことが主な理由で、2017年度末から1.5倍に増え、総額は昨年度末で約2,600億円に上ります。
血糖値を下げるインスリンが分泌されない1型糖尿病の女性患者が、障害基礎年金を不支給とされたのは不当として国を訴えた訴訟の判決で、東京地裁は不支給処分は違法だとして取り消し、障害等級2級相当額の支給を命じました。
厚労省は近く、4月に試験運用を始めた「公的年金シミュレーター」を活用して、公的年金の試算に必要なデータやプログラムを民間事業者に開放する。これにより、銀行口座や証券口座など個人の資産と連携できる民間アプリに、将来もらえる年金額など公的年金などの試算データを組み合わせ、個人が老後資産を把握しやすくする仕組みを整える。
個人型確定拠出年金(iDeCo)について、政府が加入対象年齢を現状の65歳未満から引き上げるなどの改革を検討していることが分かりました。6月に閣議決定する「新しい資本主義」実行計画に盛り込む方向で調整しています。
厚生労働省が6日に公表した2020年度の公的年金の収支決算で、会社員らが加入する厚生年金と自営業者らが加入する国民年金の合計の積立金が、時価ベースで過去最大の194兆5,186億円となったことが分かりました。株価上昇で公的年金の運用が好調だったことが全体を押し上げ、2019年度から36兆6,058億円増えた。内訳は、厚生年金が34兆8,031億円増の184兆1,927億円、国民年金が1兆8,027億円増の10兆3,259億円。厚生年金の保険料収入は、新型コロナで収入が減った事業者向けに納付猶予の特例制度を設けたことなどが要因で5,584億円減少しました。
政府の社会保障審議会は、確定拠出年金の見直し案を示し、了承されました。主な
改正内容は、
(1)すべての会社員がイデコに入れるようにする
(2)確定拠出年金に加入できる上限年齢(60歳未満)をイデコは65歳未満、企業型は70歳未満まで延長する
(3)確定拠出年金の受給開始時期(60歳〜70歳)を60歳〜75歳まで拡大する
――の3つです。
政府・与党は、確定拠出型年金(DC)制度を拡充します。具体的には、個人型の「iDeCo(イデコ)」の加入期間や加入対象者を拡充するほか、企業型DCとの併用をしやすくします。来年度の税制改正大綱に盛り込む方針とのことです。