厚生労働省は、労働者派遣法等に抵触する「偽装請負」が製造現場を中心に横行していることから、偽装請負の監督指導を強化したり、指導後も改善がみられない悪質な事業者等を積極的に処分したりするよう、全国の労働局長に通知した。また、社会保険への加入や福利厚生の付与等、請負労働者の処遇を改善する指針を来夏までに作成すると発表した。
厚生労働省は、中小企業が仕事と家庭の両立支援制度を導入しやすくするための新たな助成制度を創設することを示し、来年度予算の概算要求に盛り込んだ。
1.企業トップの方針の明確化・内外への発信、
2.管理職研修、
3.従業員への周知
を行った企業に対して、一定の成果があれば助成金を支給するというもの。
厚生労働省は、10月1日までに適用される都道府県別の最低賃金額の改定状況を発表。すべての都道府県で時給2〜6円の引上げとなることがわかった。引上げ額の最高は愛知県の6円で、改定後の全国平均の最低賃金は5円アップの673円となる。
内閣府は、企業内における育児支援制度の導入と効果に関する調査
結果を発表。正社員の育児休業制度を就業規則に定めている企業は
81.4%だったが、非正社員についても定めている企業は54.4%だった。
短時間勤務制度(正社員53.9%、非正社員35.5%)、フレックスタイム制
度(正社員24.0%、非正社員10.2%)の導入についても、正社員と非正社
員の待遇に格差があることが明らかになった。
総務省が4〜6月期の労働力調査を発表し、正社員の増加数が非正社
員の増加数(いずれも前年同期比)を上回ったことがわかった。正社員の
増加数が非正社員の増加数を上回ったのは2002年の同調査開始以降
初めてのこと。正社員の数は前年同期比46万人増の3,454万人、非正社
員の数は前年同期比23万人増の1,647万人となった。
総務省が発表した7月の完全失業率(季節調整値)は、前月から0.1ポイ
ント改善して4.1%となった。男女別では、男性は4.2%で4カ月連続で同水
準となり、女性は3.9%で前月より0.3ポイント改善した。景気回復を背景に、
特に主婦層を中心に仕事に就く女性が増えたことが要因とみられる。
また、厚生労働省が発表した7月の有効求人倍率は1.09倍で、4カ月連
続で前月を上回る高水準となった。
今年の春闘において、8割を超える企業が賃上げを実施したことが、日本
経団連が会員企業などを対象に行った調査でわかった。また、24%の企
業が定昇に加えてベアや賃金改善措置を実施。今後の賃金のあり方につ
いては、「定昇のみとし、成果・業績は賞与に反映すべき」とする企業は
40.7%、「定昇を廃止し、成果・業績による賃金決定とすべき」とする企業
は34.6%だった。
厚労省は、20歳代半ばを迎えても定職に就かない「年長フリーター」の就
職対策として、2007年度から都市部(東京、横浜、名古屋、大阪、神戸)
のハローワークを中心に、「就職クラブ」を開設する。約10人がまとまって、
顧問役の相談員の指導を受けながら自己分析や意見交換を行い、3カ月
で企業の正社員になることを目指すもの。同省では、1,000人程度の年長
フリーターの組織化を図りたいとしている。
日本経団連が会員企業などを対象に行った調査結果を発表。35歳以下
の正社員数について「不足」(26.5%)、「やや不足」(52.2%)と
感じている企業を合わせると78.7%に上った。
また、フリーターの正社員採用については、「採用しない」とする
企業が24.3%、「採用には消極的だが、経験・能力次第では採用したい」
とする企業が64.0%で、正社員数が不足しているものの、フリーターの
採用には消極的な企業が多いことがわかった。
厚労省は、現在全国均等に配分している地域雇用促進特別奨励金(地
域雇用開発促進助成金)を、雇用の改善が遅れている地域に集中的に
投入できる制度を整備する方針を示した。対象となるのは、有効求人倍率
が長期低迷している北海道、青森県、秋田県、高知県、長崎県、鹿児島県、
沖縄県の7道県。年内にも労働政策審議会が報告書をまとめ、2007年の
通常国会に関連法改正案を提出、2007年度中に実施したい考え。
厚生労働省は、雇用保険の保険料率を景気に連動して機動的に改定でき
るように仕組みを変更する方針を示した。失業者が減少して積立金が増加
しても料率が下がらない現行制度への批判を受けたもので、2008年度から
の実施を目指すとしている。積立金残高が年間支給額の1年分(現行では
2年分)に増えれば法改正なしで料率を下げられるようにする内容。
財務省が2005年の地方公務員(全国47都道府県)の給与を調査した結果、
各地域の民間企業の給与(厚生労働省が従業員100人以上の企業を対
象に調査)より平均で21%も高いことがわかった。最も格差が大きかった
青森県では公務員の36.2万円に対して民間は26.3万円と38%の開きがあ
り、最も格差が少なかった東京都では0.7%の開きがあった。
厚生労働省が昨年10月に初めて行った「若年者雇用実態調査」の結果
を発表。30歳未満の正社員の採用を、今後3年間で「増やす」(36.4%)と
する企業が「減らす」(6.1%)とする企業を大幅に上回ることがわかった。
「ほぼ同じ」と回答したのは43.8%だった。特に、運輸業(42.0%)や金融・
保険業(41.3%)などが若手正社員を積極的に増やすとしている。
労働者派遣法等に抵触する「偽装請負」について、2005年度に全国の労
働局が発注側企業や請負業者に対して是正指導を行った件数が974件と
なり、過去最多だった2004年度(639件)を大幅に更新したことが、厚生労
働省の調査でわかった。同省は2年前から企業への立ち入り調査を強化。
悪質な場合は事業改善命令、事業停止命令で対応するとしている。
厚生労働省は、「人口動態統計(速報)」を発表。2006年上半期の出生数
は54万9,255人で、前年同期(53万7,637人)比で1万1,618人増加したことが
わかった。半期ベースの増加は6年ぶりとなる。2006年の出生数が前年を
上回り、合計特殊出生率(女性が一生に産む子供の数の推計)も6年ぶり
に上昇に転じる可能性が出てきた。