政府は、2020年までに最低賃金を平均1,000円(時給)に引き上げるとする目標を明らかにした。今後まとめる「新成長戦略」に盛り込む予定で、できる限り早期に最低賃金の下限を800円までひき上げることについても合意した。
元大学生の男女2名が、景気悪化を理由に採用の内々定を取り消したのは違法だとして、不動産会社に損害賠償(計495万円)を求めていた訴訟で、福岡地裁は、「内々定を得た学生が採用に期待するのは当然。会社の対応は信義則に反し不法行為に該当する」として、会社に対して男性に85万円、女性に110万円を支払うよう命じる判決を下した。
厚生労働省は、財務状況が厳しいために積立不足の穴埋め猶予制度を利用した厚生年金基金が全体(608基金)の約14%(2009年度末時点)であるとする集計結果を発表した。
厚生労働省が「人口動態統計」を発表し、2009年における合計特殊出生率(1人の女性が生涯に産むとされる子どもの数)が前年と同じ「1.37」だったと発表した。2006年から3年連続で上昇していたが、少子化の改善傾向が止まったかたち。
厚生労働省が4月の毎月勤労統計調査(従業員5人以上の事業所約3万3000カ所が対象)の結果を発表し、現金給与総額(従業員1人当たりの平均賃金)が月額27万5,985円(前年同月比1.5%増)となったことがわかった。前年同月比で増加したのは2カ月連続。
厚生労働省の「自殺・うつ病対策プロジェクトチーム」は、健康診断にうつ病などの精神疾患をチェックする項目を追加することなどを盛り込んだ自殺・うつ病等対策を公表した。同省では、今年度に労働安全衛生法の改正を目指すとしている。
総務省が4月の完全失業率を発表し、5.1%(前月比0.1ポイント上昇)と2カ月連続で悪化したことがわかった。厚生労働省が発表した同月の有効求人倍率は0.48倍(前月比0.1ポイント減)と8カ月ぶりに低下した。
政府は、最低賃金に関して、2020年までに時給1,000円(全国平均)を目指すとの目標を策定する方針を明らかにした。当初、次期衆議院選挙までに実現させる考えだったがが、これにより実現時期が大幅に先送りされることになる。
2008年度における公的年金の財政収支が明らかになり、9,882億円の赤字となったことがわかった。厚生年金は3,139億円の黒字となったが、国民年金(4,199億円)、国家公務員共済(2,431億円)、地方公務員共済(6,327億円)は赤字だった。
顔などに傷が残った場合の労災補償で、男性が女性よりも低い障害等級とされる国の基準の合憲性が争われていた訴訟の判決が京都地裁であり、「男性も顔に障害を受ければ精神的苦痛を感じ、性別による差別に合理的理由はない」として、この基準を違憲と判断した。
労働審判の担当裁判官が、審判後の裁判において判決を下すことは違法かどうかが争われていた訴訟の上告審判決が最高裁判所(第3小法廷)であり、「労働審判は裁判の下級審には該当せず、違法ではない」という初めての判断が示された。
鳩山総理大臣は、6月発表予定の「新成長戦略」の中で、「キャリア段位制度」の導入を盛り込む考えを明らかにした。同制度は職業分野ごとに「段位」を設けるもので、肩書き以上に職業能力を重視することにより、雇用の流動化を図りたい考え。
政府が年金制度の基本原則の原案を明らかにした。昨年の衆議院選挙のマニフェストで掲げた「最低保障年金」を盛り込んだが、具体的な月額は盛り込まれなかった。また、消費税などの財源に関する具体論も示されなかった。
厚生労働省・文部科学省は、今春卒業した大学生の就職内定率が91.8%(前年比3.9ポイント低下)だったと発表した。比較できる1997年以降では過去2番目に低く、前年からの下げ幅は過去最大だった。約3万1,000人が就職できずに卒業したと見られる。
厚生労働省が「国民生活基礎調査」の結果を発表し、2008年における1世帯あたりの平均所得が547万5,000円(前年比8万7,000円減)となり、2年連続で減少したことがわかった。550万円を下回ったのは20年ぶり。