政府は、日雇い派遣の原則禁止などを柱とした労働者派遣法の改正案を国会(衆議院)に提出した。派遣労働者の7割を占める登録型派遣の規制については見送られた。衆議院解散・総選挙の先送りにより野党は政府・与党への対決姿勢を強めており、今国会で成立するかは不透明。
社会保険庁の職員が無許可で違法な労働組合活動に携わっていた「ヤミ専従」について、厚生労働大臣直属の調査委員会は「国に損害を与えており背任罪に相当する」との見解を示した。また、同委員会の調査で新たに4人がヤミ専従を行っていたことが判明し、合計で34人となった。舛添厚生労働大臣は、本人と責任者ら約20人を刑事告発する方針。
政府・与党は、親が分娩費用を直接病院に支払わなくても公的負担で出産できる制度を導入する方針を固めた。現在は出産後に親に支給される「出産育児一時金」を、健康保険組合などが直接医療機関に支払うように仕組みを改める。来年の通常国会に関連法案を提出し、来夏以降に実施の予定。
厚生労働省は、障害者の就労促進を目的として、中小企業(従業員56人以上300人以下)が初めて障害者を雇用する場合に奨励金を支給する制度を創設する方針を示した。一企業あたり数十万円〜100万円程度支給する模様で、早ければ今年度中にも実施の予定。
2009年度の介護保険料について全国平均で1人あたり月150〜200円程度(3〜5%程度)の引き上げられる見通しが明らかになった。介護報酬の改定に伴い、本来であれば来年度から月300円程度上昇する計算だが、政府が示した追加経済対策で保険料の一部を肩代わりするため、引上げ幅が抑えられた。
大学病院や当直勤務のある一般病院に勤務する産婦人科医が院内で拘束されている時間が1カ月平均で300時間を超えていることが、日本産科婦人科学会による調査で明らかになった。大学病院の医師の「在院時間」は月平均341時間、当直は月平均5.8回だった。
厚生労働省は、アスベスト(石綿)被害について注意を喚起するため、2007年度に石綿による肺がんや中皮腫で労災認定を受けた従業員のいる全国883事業場の名称を公表した。同省では労災未申請の人も多いとみており、各事業場に対して、退職者などに健康診断の受診や労災申請を呼びかけるよう要請する方針。
総務省は労働力調査を発表し、9月の完全失業率が4.0%(前月比0.2ポイント減)に改善したことがわかった。また、厚生労働省が発表した同月の有効求人倍率は0.84倍(前月比0.02ポイント低下)となり、8カ月連続で低下した。
保護者が国民健康保険の保険料を滞納しているために保険証を返還させられ、医療保険を利用できない中学生以下の子供が32,903人(1万8,240世帯)いることが、厚生労働省が行った調査で明らかになった。同省は、必要な医療が受けられないことがないよう、短期保険証(1カ月〜数カ月)の交付を要請する通知を全国の自治体に出した。
政府・与党は、雇用保険財政に余裕があることから、30日に発表した「新総合経済対策」(追加経済対策)に雇用保険料率の引下げを盛り込んだ。2009年度から、現行の1.2%から0.2〜0.4%引き下げる方針。また、雇用強化対策として、「年長フリーターの正規雇用の奨励」「新規雇用の創出」なども盛り込まれた。
政府・与党は、介護労働者の待遇改善のため、2009年4月から介護報酬(介護事業者に支払われるサービスの公定価格)を3%引き上げることを決定し、「新総合経済対策」(追加経済対策)に盛り込んだ。プラス改定は2000年度の介護保険制度発足以来初となる。
厚生労働大臣の諮問機関である労働政策審議会は、厚生労働省から提示されていた労働者派遣法改正案の要綱について了承し、舛添大臣に答申した。施行は2009年10月、日雇い派遣の原則禁止など企業への影響が大きい措置については2010年4月の予定だが、政治情勢次第では法案提出が来年以降にずれ込む可能性もある。
社会保険庁は、滞納により時効(2年)となったために徴収不能となった国民年金保険料が、2007年度に8,027億円(前年度比1,837億円減)に達したと発表した。
社会保険庁が年金記録の訂正申請を受け付けたが年金額が訂正されていない未処理の件数が今年7月末時点で約42万件あることが、同庁のまとめにより明らかになった。受給者らによる訂正申請の増加に事務処理が追いつかないのが原因で、処理体制を強化するとしている。
厚生年金保険と政府管掌健康保険(現在は「協会けんぽ」)の保険料を2007年度に滞納した事業所数が12万3,655件(前年度比14%増)となったことが、社会保険庁の発表で明らかになった。督促しても支払わない事業所への差押件数は1万2,879件(同18%減)だった。