今年の通常国会で成立した「改正石綿健康被害救済法」について、環境省は12月1日に施行すると発表した。(1)療養中の患者の医療費を療養開始時にまで最長3年さかのぼって最低300万円支給する、(2)2006年3月の法施行前に死亡した住民の遺族への弔慰金は死後5年までに申請すれば支給する、というのが主な内容。
厚生労働省は、2009年度の政府管掌健康保険の保険料率について、現行の8.2%から0.1〜0.3%程度の引上げが必要との試算結果を発表した。高齢者医療への拠出金や医療給付費などの増加が影響するため。なお、政管健保の事業は10月から「全国健康保険協会」に引き継がれる。
総務省の「年金記録確認第三者委員会」は、厚生年金の標準報酬月額などの改ざん事例をこれまでに48件認定したことを明らかにした。多くのケースは「全喪届」を提出し、過去にさかのぼって標準報酬月額や加入期間を変更していた。
内閣府は「ワーク・ライフ・バランス」に関する意識調査結果を発表し、「生活の中で仕事優先を希望する」人は2.0%だったが、「仕事優先の生活になっている」人は48.6%いることがわかった。調査は20歳以上60歳未満の男女を対象に行い、約2,500人から回答があった。
自民・公明両党は、月80時間を超える分の残業代を現行の「2割5分増し」から「5割増し」とする労働基準法の改正案について、「月80時間超」の部分を「月60時間超」に修正して秋の臨時国会で成立させたいとする方針を示した。野党も修正協議に前向きに応じるとみられる。
企業年金連合会は、支給すべき年金が未払いになっている60歳以上の受給資格者が2008年3月末時点で約147万人(前年同期比23万人増)おり、累積額は計1,865億円に上ることを厚生労働省に報告した。住所不明で受給資格者に連絡がつかなかったことなどが原因。
社会保険庁は、システムのプログラムミスにより在職老齢年金が未払いとなっている人が3万2,825人おり、総額で約11億9,000万円に上ることを明らかにした。未払いがあったのは1999年8月〜2008年7月で、平均額は1人平均3万6,238円。同庁では10月15日の支給日に未払い分を支払うとしている。
厚生労働省の有識者研究会は、健康保険証・介護保険証・年金手帳を1枚にまめる「社会保障カード」(仮称)について、「住基カード」との一本化を検討するとした中間報告書をまとめたことがわかった。政府では2011年度の導入を目指している。
厚生労働省による労働者派遣法改正案の素案が明らかになり、30日以内の日雇い派遣の原則禁止、グループ内派遣の8割以下への制限、派遣社員常用雇用の努力義務化などが盛り込まれていることがわかった。労働政策審議会での議論を経てから10月中旬までに改正案をまとめ、秋の臨時国会に提出する予定。
厚生労働省は、公的年金記録の紙台帳(約8億5,000万件)と社会保険庁のコンピュータ記録の照合を進めるため、2009年度に合計83人の担当職員を配置する方針を明らかにした。内訳は年金局から5名、地方厚生局から78人となる見通しで、「日本年金機構」(社会保険庁の後継組織)のみに対応を任せないのがねらい。
独立行政法人労働者健康福祉機構は、全国32カ所の労災病院に併設されている勤労者予防医療センターなどにおいて2007年度中に生活習慣予防の個別指導を受けた人が6万9,418人(前年度比17%増)にのぼったと発表した。同機構では「メタボリック症候群への関心が高まったことが背景にある」としている。
厚生労働省は、介護業務未経験のフリーターや定年退職者などを雇った介護事業主に、1人あたり50万円を助成する方針を固めた。1事業主あたり3人を限度とし、新卒者以外で採用した未経験の介護労働者が半年以上定着した場合に25万円まで、1年以上定着した場合にはさらに25万円まで助成するもので、2009年度から
支給する予定。
厚生労働省は、厚生年金保険料を滞納した事業主が支払う延滞金について、額の引下げや延滞金発生期限の引延しの検討に入ったことがわかった。支払いが3週間程度遅れると年率14.6%の延滞金利による延滞金が発生するが、中小零細企業の資金繰りに深刻な影響を与えるとの意見が出ていた。2006年度の滞納事業所数は10万8,070カ所。
厚生労働省は、人材難が問題となっている介護職の確保対策を強化することを決めた。介護職の職場定着、有資格者の参入・復帰、人材発掘などを図った介護福祉士養成施設や介護サービス事業者などに対して費用の一部を助成する。関連経費を2009年度予算の概算要求に盛り込む方針。
労働組合が過去5年間に組合員から受け付けた職場に対する不満・苦情で最も多かったのは「残業、休日・休暇」(70%)に関することだったことが、独立行政法人労働政策研究・研修機構の調査で明らかになった。次いで、「賃金、一時金」(64%)、「仕事の進め方」(58%)が上位を占めた。