大阪労働局は過去に提出された「労働者死傷病報告」の分析を行い、製造現場における派遣労働者の労災事故が急増していることが明らかになった。派遣先で労災に遭った人は2006年に146人で、そのうち4割以上が製造業だった。厚生労働省は実態把握のため、派遣会社や業界団体に対して、労災を報告する際に被災者が派遣労働者かどうかの明記を徹底するように通知した。
厚生労働省は、「1日8時間」などに捉われず、労働者自身が労働時間を柔軟に設定することができる制度を導入した企業に対して、2008年度から新たに助成金を支給する方針を示した。助成額は1社あたり100万円前後で検討されている。
厚生労働省は、母子家庭の母親や子育てを終えた女性らの就職を支援するため、2008年度から無料の職業訓練制度を開始すると発表した。働きながら訓練を受けられる制度と専門学校などで学べる制度を設け、協力企業には1事業所500万円を上限に助成を行い、訓練生への賃金の一部も補助する方針。
厚生労働省は、メタボリック症候群の予防・改善を目的として2008年4月から実施される特定健診(40歳以上の保険加入者が対象)と保健指導にかかる健康保険組合のコスト負担増を和らげるため、補助金を支給することを明らかにした。健診や保健指導にかかるコストの3分の1を助成する方針。
社内での不正等の通報を受け付ける窓口や目安箱を設けるなど、「内部通報制度」を導入している中小企業(従業員数50人以下)は約13%にすぎず、大企業(同3,000人以上では約90%が導入)と比較して導入が進んでいないことが、内閣府の調査でわかった。
年金支給の可否を判断する「年金記録第三者中央委員会」は、国民年金・厚生年金各1件について、本人の訴えを却下して給付を認めない初めての判断を下した。国民年金では、証拠で提出したメモの内容に不合理な点が多いとし、厚生年金では、勤務していたとする企業が厚生年金の適用事業所ではなく、納付の事実が確認できないとした。
2005年度における国民医療費(医療機関に支払われた医療費の総額)が33兆1,289億円(前年度比3.2%増)となり、3年連続で過去最高を更新したことが、厚生労働省の発表で明らかになった。国民1人当たりの医療費も25万9,300円(前年度比3.1%増)で過去最高となった。
2006年度における介護サービス・介護予防サービスの利用者が約429万5,600人(前年度比約10万2,800人減)となり、2000年の制度開始以来初めて利用者が減少したことが、厚生労働省が発表した「介護給付費実態調査」によりわかった。1人あたりの利用額は月額14万8,900円だった。
厚生労働省は、今年6月に実施した最低賃金の一斉監督(過去に違反率が高かった繊維業・食料品製造業などを中心に全国1万1,120事業場を対象)の結果、707事業所(約6.4%)で最低賃金法違反が見つかったと発表した。最低賃金未満の労働者数は2,051人で、そのうちパートやアルバイトが56.9%、女性が約67.5%を占めた。
厚生労働省が人口動態統計(速報)を発表し、6月の出生数が9万779人(前年同月比1.4%減)と5カ月連続で減少し、1〜6月期の出生数も54万6,541人(前年同期比0.5%減)と3期ぶりに減少したことがわかった。離婚件数は、「年金分割制度」の開始による影響で4月・5月と前年同月を上回っていたが、6月は2万901件(前年同月比4.9%減)と減少した。
社会保険庁は、同庁の研修施設などの保有資産を売却して年金記録の照合・通知作業などにかかる費用に充て、年金保険料や新たな財源は投入しない方針を示した。売却資産で2007年度の対策費をすべてまかない、2008年度以降も対策費の相当部分に充当したい考え。
厚生労働省は、2006年度の公的年金の収益額が4兆5,669億円、収益率は3.1%となり、2006年度末時点の積立金総額は149兆1,337億円(前年度末比0.6%減)となったと発表した。株価の上昇により積立金の運用は好調だったが、年金給付のための資金が増えたことが影響した。
東京都内のバス会社に勤務していた男性運転士(虚血性心不全で死亡)の遺族が労災を申請していた件で、東京労働者災害補償保険審査官は、「始業点呼前と終業点呼後の各10分は労働時間に算入するべき」とし、死亡と過重労働との因果関係を認めて労災認定をした。遺族側の代理人弁護士は「労働実態に即した珍しい判断」としている。
東京労働局は、長時間労働・過重労働などが原因で労働災害が発生した東京都内の37社を対象に行った2006年度における監督指導で、うち10社が労働者の労働時間を把握しておらず、25社が長時間労働をした労働者に医師による面接指導などを受けさせていなかったことがわかったと発表した。
経済産業省は、製造現場における請負社員や派遣社員の活用に関して、今後は人材育成が必要だとし、職業能力や実務経験を外形的に評価できるシステムを構築することが重要だとする報告書をまとめた。同省の研究会が行った調査では、工場の約8割が請負社員や派遣社員を利用していた。