厚生労働省は、2008年度から、キャリアコンサルタントを無料で中堅企業に派遣し、各年代別に定期的に能力開発に関する助言などを行う「キャリアドック」事業を開始する考えを明らかにした。必要と思われる研修や休暇制度の企業への提案なども行い、全国の20社程度に派遣する予定。
中小企業の新卒採用者の初任給が、大企業を上回る傾向が強まっていることが、日本経団連が行った新卒者(2006年4月入社)の初任給に関する調査でわかった。大企業(従業員3,000人以上)の初任給を100とした場合の中小企業(従業員100人未満)の初任給は、大卒事務系で105.7、短大卒事務系で118.1、高卒事務系で110.5。中小企業の採用難が影響しているとみられる。
今春の主要企業(調査対象は資本金10億円以上、従業員1,000人以上の企業281社)の賃上げ率は1.87%(前年比0.08ポイント増)で、平均妥結額は5,890円(同229円増)となったことが、厚生労働省の調べによりわかった。
社会保険庁は、企業が厚生年金基金に通知した加入者情報と基金が同庁に通知した情報の食い違いによる年金の支給漏れを防止するため、基金の年金保険料の納付記録と同庁で管理する記録との照合を2008年度中に実施する方針を示した。同庁は、基金が提出した被保険者のリストなどをもとに納付記録を確認し記録漏れがあった場合は訂正する。
基礎年金番号に統合されていない共済年金の納付記録約181万件のうち約7万6,000件が、年金受給権のある65歳以上の人の記録であることがわかった。内訳は、国家公務員共済約67万件のうち約3万件、地方公務員共済約68万件のうち約4万件、私学共済約46万件のうち約6,000件。
大学などを卒業した後に国内で就職した外国人留学生の数が2006年に8,272人(前年比2,394人増)となり、過去最多となったことが法務省入国管理局の調査でわかった。国籍・出身地別では中国の6,000人で最多、以下、韓国944人、台湾200人、バングラデシュ119人、マレーシア118人と続いている。職務内容は翻訳・通訳が全体の約3割を占めている。
厚生労働省は、障害者雇用が進んでいない中小企業における障害者雇用を促進するため、事業主向けの相談窓口を全国の商工会議所などの中小企業団体に設置する方針を示した。障害者の受け入れに必要な情報の提供やセミナーの開催などにより、障害者の就業を支援したい考え。
健康保険・厚生年金の保険料を滞納した場合に事業所から徴収する「延滞金」について、愛知県と愛媛県の一部の社会保険事務所が不正に減額していたことが、社会保険庁の調査でわかった。保険料の支払いと引き換えに延滞金の減額に応じていたもので、判明分だけで216事業所に対して総額約6,800万円が減額されていた。同庁では、同様のケースがないか全国調査を実施するとしている。
2006年度の国民年金保険料の納付率が66.3%(前年度比0.8ポイント低下)となり、4年ぶりに低下したことが社会保険庁の発表でわかった。2006年度の同庁の目標は74.5%で、目標未達成は3年連続。納付率は2003年から徐々に回復していたが、昨年5月に発覚した保険料不正免除などの不祥事が影響したものとみられる。
社会保険庁は2006年度の国民年金・厚生年金の収支決算を発表し、時価ベースで国民年金は279億円の赤字(前年度は4,023億円の黒字)、厚生年金は2兆8,103億円の黒字(前年度は8兆3,103億円の黒字)となったことがわかった。また、同年度の政府管掌健康保険は1,079億円の黒字(4年連続)だった。
2008年4月にスタートする75歳以上の高齢者を対象にした新しい医療保険制度により新たに保険料負担が必要になる人が約200万人に上ることが、厚生労働省の調査でわかった。75歳以上の高齢者は現在約1,300万人(大半の人は国民健康保険に加入)おり、そのうちの約15%の人が年金収入などに応じて保険料を課されることになる。
民主党は、年金保険料の使途を給付のみに限定する「年金保険料流用禁止法案」を参議院に提出した。同法案では、年金事業の事務費、教育・広報費、システム運用費などについてはすべて国費で負担するとされている。ただし、今臨時国会が10日で閉会となるため、同法案が廃案になった場合は秋の臨時国会へ再提出する見通し。
地域別最低賃金の改定について議論する「中央最低賃金審議会」は、2007年度の最低賃金(現行の平均額は673円)の引上げ幅を6〜19円、全国平均で14円を目安とすることを決定した。労働者側は50円、経営者側は5円の引上げを主張していたが、厚生労働省の提案(13〜34円)の下限に近い水準に決まった。今後、都道府県別の審議会で審議され、10月中の改定を目指す。
社会保険庁は、年金記録確認フリーダイヤルを通じて受け付けた相談件数42万4,108件のうち、6月11日から7月31日までの間に30万5,822件に対して年金保険料の納付記録を送付したと発表した。相談受付から送付までの平均日数は22.6日。
厚生労働省は、週20時間未満の短時間で働く精神障害者を新たに雇用した企業に対して、奨励金(1人あたり月約3万円)を支給する制度を2008年度から開始する方針を示した。1年程度の支給を想定しており、複数の精神障害者を一括採用して指導員をつけた場合は奨励金の上乗せも検討するとしている。