【社会保険庁改革関連法の内容】
1.2010年に社会保険庁を廃止して日本年金機構(非公務員型の公法人)へ業務移行、
2.保険料徴収業務などを可能な限り外部委託、
3.悪質な保険料滞納者についての強制徴収を国税庁へ委任、
4.クレジットカードによる保険料納付など収納対策を強化
【年金時効撤廃特例法の内容】
1.年金記録が訂正された場合は5年の時効を適用せず過去の不足分を全額補償、
2.政府は年金情報について正確な内容とするよう万全の措置
厚生労働省は、偽装請負を防止するため、請負会社や発注元企業が取り組むべき事項をまとめた指針を、全国の都道府県労働局に通知した。指針では、請負会社が労働者の能力を評価して賃金に反映させることや、発注元企業も請負会社の法令順守体制を確認することなどを求めている。
日本経団連と日本商工会議所は、年金記録漏れ問題解決のため、加盟企業が従業員に代わって社会保険庁への年金相談や記録確認を行う仕組みを整備することを決めた。企業内に専用窓口を設け、従業員の同意を得たうえで年金の記録確認を行い、問題がある場合は「第三者委員会」への審査要請も行う。政府も専用部署を設置するなどして対応する考え。
政府は、給与から厚生年金保険料が天引きされているにもかかわらず勤務先企業の事務処理ミスや社会保険庁の記録ミスなどにより同庁に納付記録がない人について、天引きを示す給与明細等があれば年金の支給を広く認める方向で検討に入った。企業が組織的に未納だった場合については慎重に議論を進めていく考え。
柳沢厚生労働大臣は、すべての公的年金加入者・受給者約1億人に対して、来年度にも年金の加入履歴を送付する方針を明らかにした。加入者(約7,000万人)には、特定の年齢層のみを対象としていた「ねんきん定期便」を送付し、受給者(約3,000万人)には、該当者不明の年金記録約5,000万件との照合の結果とともに加入履歴を送付する。
社会保険庁改革法案(2010年に同庁を廃止して非公務員型の「日本年金機構」を設置)と年金支給時効撤廃特例法案(現行の5年の時効を撤廃)が、28日の参議院厚生労働委員会において与党の賛成多数で可決された。与党は29日の参議院本会議での成立を目指している。
政府・与党は、労働関連3法案(労働契約法、改正労働基準法、改正最低賃金法)の今国会での成立を断念する方針を固めた。年金記録漏れ問題に関する審議の混乱の影響により審議時間が足りなくなったためで、今秋の臨時国会で審議のうえ、成立を目指す。
社会保険庁は、社会保険事務所がない全国の市町村1,500のすべてにおいて、年金に関する出張相談を行うと発表した。市町村の庁舎や商工会議所などに臨時の窓口を設け、社会保険事務所の職員らが巡回するもので、7月末までに実施するとしている。
企業年金研究会(厚生労働省年金局長の諮問機関)は、確定拠出年金について、現行では認められていない従業員本人による掛金の拠出を、労使の合意を条件に認めていく方針を示した。今年中に税制上の優遇措置についてもまとめ、法案化を目指すとしている。
領収書がない場合などに年金支給の是非を判定する「年金記録確認中央第三者委員会」(社会保険労務士や弁護士らで構成)の初会合が開かれ、7月中にも全国各地に「確認委員会」を設置し、年金記録に関する異議申立ての受付を開始する方針を固めた。判定基準については7月中旬までに作成するとしている。
厚生労働省は、2005年度における公的年金の財政状況を社会保障審議会(厚生労働大臣の諮問機関)に報告し、厚生年金の黒字額が時価ベースで8兆3,267億円(前年度比259.4%増)となったことが分かった。株価の回復により運用収入が大幅に増加したことによるもの。
政府・与党は、記録漏れとなっている厚生年金の加入記録の特定方法として、雇用保険の加入記録を活用する方針を固めた。従業員本人の申出に基づいて雇用保険の加入記録を確認するもので、7月中旬に「年金記録確認中央第三者委員会」が策定する記録確認のガイドライン(運用指針)にも盛り込まれる。
内閣府は、国民生活センターに寄せられた年金に関する苦情相談が1997年からの10年間で2,439件あり、そのうち記録漏れを指摘する相談が約50件あったことを明らかにした。2002年までは約100件程度だったが、2003年に327件になり、2006年は過去最高の577件の相談が寄せられていた。
社会保険庁は、公的年金の記録漏れ解消のため、コンピュータシステム上にある年金記録2億7,000万件のすべてを再調査する方針を示した。システム上で氏名などの入力ミスが見つかった場合は記録を訂正、さらに手書き台帳を写したマイクロフィルムの内容を新規に電子データ化し、既存のシステム上の全記録と照合するもの。
経済産業省は、「下請けいじめ」防止のため、いじめの実例や模範的な取引例などをまとめたガイドライン(指針)を公表した。自動車業界や広告業界など7業種が対象で、ガイドラインの徹底により大手企業に下請けとの共存共栄を促したいとしている。