市場化テストの第1弾とされた5分野9事業のうちの1つである「求人開拓事業」について、一部地域で応札・落札した民間企業が現れず、ハローワークが業務を行うことになったことが明らかになった。民間開放が予定されていた5地域のうち、「旭川市周辺」では応札企業はあったが落札できず、「高知市周辺」、「佐世保市周辺」の2地域では応札すらなかった。
主要省庁では、人の生命に関わるようなケースでも個人情報の保護が優先される事態が問題化しているため、個人情報保護法を緊急時に適用しない例外を明確にする方針を固めた。製品事故が起こった場合に、販売店が購入者の住所をメーカーに知らせるといったケースなどが対象。ガイドライン(一部は実施済み)を示し、企業や病院、学校などに徹底させるとしている。
2006年の転職者数が2年連続で増加して346万人(前年比6万人増)となり、2002年の調査開始以来過去最多となったことが、総務省の調べでわかった。景気の回復で、企業が即戦力となる人材の採用に積極的になったことが影響したとみられる。女性の転職者数が180万人(前年比6万人増)、男性の転職者数が166万人(前年比1万人増)だった。
厚生労働省は、2012年4月をめどに、健康保険証にICカード機能を搭載した「健康ITカード」(仮称)を導入する方針を固めた。医師や患者本人が国のデータベースに接続し、過去の健康状態や治療内容などをパソコンで閲覧可能にするもの。医療の効率を高めて医療費抑制につなげたい考え。同省では、来年4月までに制度の詳細を決定するとしている。
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今春卒業予定で就職を希望する大学生の就職内定率(2月1日時点)が3年連続で改善して87.7%(前年同期比1.9ポイント増)となったことが、厚生労働省と経済産業省の調査でわかった。1999年度に始まった両省による合同調査開始以来、過去最高の数字。
経済産業省が企業の人事担当者を対象に行ったアンケート調査(対象企業3,715社のうち684社が回答)の結果を発表し、社員に求める能力の上位3つ(複数回答)は「実行力」(70.8%)、「主体性」(68.7%)、「課題発見力」(65.8%)であることがわかった。
年4,000時間超の長時間労働をさせられてうつ病になり会社から解雇された元社員が、未払賃金・損害賠償など合わせて約1,300万円の支払いを求めてコンサルタント会社を近く提訴する。うつ病による後遺症などに対する損害賠償請求ではなく、長時間労働自体を違法行為と主張して賠償を求める方針で、非常に珍しいケース。
パート労働者への厚生年金適用拡大について厚生労働省の最終案が示された。適用基準は、1. 労働時間が週20時間以上、2.月収が9万8,000円以上、3.勤務期間が1年以上で、当面は従業員300人以下の中小企業は適用が猶予される。また、健康保険・介護保険も同様に適用される。新たに20万人程度のパート労働者が対象となる見通し。
石綿(アスベスト)製品を製造していた従業員に対して半年に1回義務付けられている健康診断を実施せず、再三にわたる是正指導にも応じなかったとして、渋谷労働基準監督署は、東京・世田谷区の経営者を労働安全衛生法(石綿障害予防規則)違反の疑いで東京地検に書類送検した。健康診断を受けさせなかったことによる立件は全国で初。
厚生労働省は、従業員56人以上の企業に義務付けている障害者の法定雇用率(従業員に占める障害者の割合=1.8%)について、労働時間が週20時間以上30時間未満のパート労働者の数も算定の対象とするよう制度変更する方針を固めた。また、法定雇用率に満たない企業への納付金支払義務を300人以下の中小企業に拡大することも検討しており、来年の通常国会に障害者雇用促進法改正案を提出の予定。
厚生労働省は、障害者作業所や福祉施設で働く障害者に対する労働基準法等の適用基準を見直す方針を示した。1951年の通達では、1.勤怠管理をしない、2.工賃に差を付けない、などの条件を満たせば訓練とみなし、労働法規の適用が除外するとされているが、現在でも訓練の一環として一般的に導入されている、タイムカードでの勤怠管理や能力給を認める内容。3月中に全国の作業所等に新たな通達を出すとしている。
政府・自民党は、社保庁の業務を引き継ぐ「日本年金機構」が年金給付以外の年金関連事業に保険料や税金を使用した場合、その使途や内訳を公表する規定を社保庁改革関連法案に盛り込む方針を固めた。ホームページなどで公表するとしている。
政府は、中小企業を支援するため、団魂世代の大企業OBらを全国の商工会議など約3,000カ所に1人ずつ「指導員」として配置し、経営戦略作成や市場の開拓、財務などのノウハウを伝授してもらう事業を2008年度から実施すると発表した。政府の「成長力底上げ戦略」の一環で、試験的に2007年度中に実施するとしている。
厚生労働省の検討会は、内臓脂肪症候群(メタボリック・シンドローム)対策の一環として、職場の健康診断に腹囲の測定を加えるべきだとする報告書をまとめた。日本経団連などはこれに対し、「基礎疾患の予防は個人の責任だ」として反対の意思を表明している。今後、同省の労働政策審議会で議論されていく模様。