社会保険庁は、国民年金保険料の悪質な未納者に対する強制徴収を強化し、2007年度の強制徴収の目標を、2006年度の35万件から60万件に増やす方針を発表した。強制徴収の内容は、1.最終催告状の送付、2.督促状の送付、3.財産の差し押さえ。
政府・与党は、今国会に提出予定の社保庁改革関連法案に関して、「分割子会社設置」の規定を盛り込まない方針を固めた。当初、年金業務を引き継ぐ新法人を分割して、業務の一部を職員ごと民間会社として切り離す分割会社を設立する方針だったが、与党内からも「天下り先の確保」との批判が出ていた。
社会保険庁廃止後に新設される非公務員型の公法人の名称が「日本年金機構」となることが決まり、社保庁改革関連法案に盛り込まれることがわかった。法案が通れば2010年1月をめどに社保庁は廃止となる。また、全国の社会保険事務所は、「年金事務所」と名称が改められる。
政府は、団魂世代を対象に、簡単な研修を受講するだけで取得可能な資格制度を導入する方針を示した。定年後、社会貢献を希望する人材を活用するのがねらいで、国土交通省が設ける「観光地域プロデューサー」や厚生労働省の「介護サポーター」などが検討されている(いずれも仮称)。なお、資格取得に年齢制限は設けない方針。
厚生労働省は、納付率の向上を目的として、2008年初めまでにクレジットカードで国民年金の保険料を支払えるようにする方針を示した。今国会に提出予定の国民年金法改正案に盛り込む。
厚生年金や国民年金の年金加入記録について、「基礎年金番号」が付されていないものが5,000万件(昨年6月時点)以上あることが、社会保険庁の内部調査でわかった。国民年金で約1,129万件、厚生年金で約3,966万件あるとされる。基礎年金番号がないと、支払った保険料が加算されず、将来の受給額が減るおそれがある。
厚生労働省は、非正社員・フリーターなどが加入しやすいよう、雇用保険の加入条件を緩和する方向での検討を始めた。複数の事業場における労働時間を合算して週20時間以上あれば加入を認める方針(現在は同一の職場で週20時間以上が必要)。来年以降の通常国会に雇用保険法改正案を提出したいとしている。
厚生労働省は、支払能力がありながら督促に応じない悪質な医療費滞納者に対して、健保組合などを通じて医療費の滞納を通知し、支払いを求める制度の導入を検討する方針を示した。現在、医療機関の未収金の約3割は健保組合の加入者。3月中にも、専門家で構成する未収金問題の検討会を同省内に設置の予定。
警察庁は、飲酒運転対策を目的として昨年12月にまとめた道路交通法改正案を一部変更し、運転者並みの厳罰を設けるとしていた車や酒の提供者の罰則を緩和する方針を示した。また、罰則の対象となる同乗者については、「飲酒運転を知っていた場合」という当初の案を「運転者に乗せてくれるよう要求または依頼をした場合」と変更した。
政府の「成長力底上げ戦略構想チーム」は、年長フリーターなどに企業での職業訓練機会を与えて、受講歴等を記載した証明書を公的機関が発行する「ジョブ・カード制度」を創設する方針を固めた。訓練を受講した企業以外への求職にも利用できるようにするなど、フリーターの就職活動を支援するもので、2008年度から実施する方針。
厚生労働省は、パート労働者の厚生年金の加入条件を現在の「労働時間週30時間以上」から「労働時間週20時間以上」に拡大した場合、給与から保険料を引かれることによる減収を補うため、パート労働者が今よりも労働時間を増やす可能性があるとの見通しを示した。
厚生労働省は、医療・介護分野における効率化のためのIT活用計画をまとめ、診療報酬明細書(レセプト)や健康診断の結果などの情報を電子化して管理する方針を示した。患者や医療機関が情報を活用できるようにし、重複検査や無駄を省くことにつなげたい考え。健診情報の電子化は2008年度から始める。
厚生労働省は、介護保険を使用してリハビリだけを集中して行うサービスを開始する方針を示した。新サービスは、通所リハビリの「個別・短時間型」で、2009年度の介護報酬改定での導入を目指す。
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厚生労働省は、公的な出産育児一時金(35万円)に健康保険組合の判断で上乗せすることができる金額の上限を、現行の17万5,000円から35万円に倍増する方針を示し、全国の組合に通知した。組合の裁量権を拡大して少子化対策の強化を図るもので、組合が独自の基準を定めて不妊治療に対して助成することも認める。