長妻厚生労働大臣は、国民年金保険料の未納分を遡って支払うことのできる事後納付期間について、現行の「過去2年分」から「過去10年分」に延長する方針を明らかにした。無年金者などを救済するためで、2010年の通常国会に関連法案を提出する考え。
厚生労働省は、受給資格があるにもかかわらず厚生年金基金から支給を受けていない人が2008年度末時点で約14万6,000人いると発表した。未払い額の累計は約982億円。同省は、社会保険庁のもつ個人情報などを活用して、各基金に未払い解消を働きかける考え。
来年1月に発足する「日本年金機構」の中期目標が発表され、当面の最重要課題として「年金記録問題への対応」を掲げるとともに、「国民年金保険料の納付率低下の歯止め」を目指すことが明らかになった。
NHKは、2010年度から確定拠出年金制度を導入することを決定した。50歳未満の全職員を対象とし、積立て分から4割を確定給付から確定拠出に移行する。2008年度末に約3,300億円だった積立不足額を2014年度末までに半減することを目指す。
長妻厚生労働大臣は、国民年金保険料の納付率について、現行の「80%」から引き下げる方針を示した。2008年度の納付率は「62.1%」で、2003年に掲げた目標の引下げは初めてとなる。年内に発表予定の日本年金機構の中期目標に、新たな目標数値を盛り込む考え。
長妻厚生労働大臣は、受給額や支払った保険料額を確認することができる「年金通帳」について、来年度中の交付は断念し、2011年度以降に交付する考えを明らかにした。来年度予算で509億円を要求していたが、予算圧縮のため、パソコン画面で確認できるシステムで代用する案が出ている。
厚生労働省は、企業型確定拠出年金で個人も掛金を拠出できるようにし、積立期間の上限を現行の60歳から65歳に引き上げる関連法改正案を、早ければ来年の通常国会に提出する方針を明らかにした。2008年度における企業型確定拠出年金の導入件数は3,043件で、加入者数は311万人。
公的年金(厚生年金・国民年金)を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は、外国株式が収益を増加させたため、第2四半期(7〜9月)の市場運用で1兆2,119億円の収益が出て、第一四半期に引き続きプラスとなったと発表した。収益率(運用利回り)は1.24%だった。
社会保険庁が、「ねんきんダイヤル」「ねんきん定期便専用ダイヤル」などに電話をかけてきた相談者に同意を取ることなく、通話を録音していたことが明らかになった。長妻厚生労働大臣は「電話のたびに必ず同意を取るように」と指示を出した。
厚生労働省の「年金記録回復委員会」は、8億5,000万件に上る年金記録の照合作業に関して、70歳以上の人の記録を優先的に照合する方針を決定した。記録の誤りが多いとされる年齢層から着手することにより、作業の効率化を図りたい考え。
社会保険庁は、「宙に浮いた年金記録」の調査に関して、地方自治体に協力を要請する方針を示した。自治体が持つ国民健康保険や介護保険の情報を基にして、電話や訪問などで確認を行う考え。同庁では、対象件数約8万件のうち最大6万件の回復を見込んでいる。
厚生労働省の「年金記録回復委員会」は、社会保険庁に保険料の納付記録がない「消えた年金」について、国民年金の加入空白期間が1年以内である場合や、2年以内で他に未納期間がない場合には、証拠なしでも原則として救済対象とする方針を明らかにした。年明けにも実施の予定。
社会保険庁は、63歳以上で年金を受給していない約50万人に対して、今年12月から年金加入期間の確認を促す通知を送付することを発表した。約23%の人が、手続きを行えば年金を受給できる可能性があるとみられている。
社会保険庁は、持ち主不明の年金記録(約5,000万件)についての統合作業の際、誤って約200件の記録を別人の記録と統合するミスがあったとの内部調査結果を発表した。記録の見間違いなどが原因とみられている。
長妻厚生労働大臣は、厚生年金の記録を改ざんされた疑いのある従業員について、申請を行えば物的証拠がなくても救済することを検討する方針を明らかにした。