民主党は、年金保険料の使途を給付のみに限定する「年金保険料流用禁止法案」を参議院に提出した。同法案では、年金事業の事務費、教育・広報費、システム運用費などについてはすべて国費で負担するとされている。ただし、今臨時国会が10日で閉会となるため、同法案が廃案になった場合は秋の臨時国会へ再提出する見通し。
社会保険庁は、年金記録確認フリーダイヤルを通じて受け付けた相談件数42万4,108件のうち、6月11日から7月31日までの間に30万5,822件に対して年金保険料の納付記録を送付したと発表した。相談受付から送付までの平均日数は22.6日。
民主党は、年金保険料の年金給付以外での使用を認めないとする「年金保険料流用禁止法案」を、7日召集予定の臨時国会で参議院に提出する方針を示した。先の通常国会で成立した「社会保険庁改革関連法」では、福祉施設等への年金保険料の流用を禁止したが、保険料徴収や教育・広報などの事務に限り流用を認めている。
2006年度の公的年金の積立金の運用実績が3兆7,608億円となり、4年連続の黒字となったことが、運用を行っている年金積立金管理運用独立行政法人の発表によりわかった。収益全体の約7割を外国株式や外国債券が占めており、2006年度の累積黒字は10兆2,697億円となった。
「年金記録確認中央第三者委員会」は、第1回目(13日:15件)に続き、新たに8件(国民年金7件、厚生年金1件)の年金記録の訂正を求めるあっせん案を決定した。同委員会は、社会保険庁から依頼された292件の給付判断を9月末までに終えるとしている。今月17日から開始された「地方版第三者委員会」には、22日までに1,352件の申立てがあった。
社会保険庁は「年金時効撤廃特例法」に基づき、第1回目(19日:145人)に続いて、新たに108人に未支給分の年金を支払うことを発表した。対象者の平均年齢は76歳、平均支給額は84万円だった。認定者された人には、8月15日に未支給分が銀行口座などに振り込まれる。
社会保険庁は、7月6日に施行された「年金時効撤廃特例法」(年金記録が訂正された場合は5年の時効を適用せず過去の不足分を全額補償する)に基づき、145人に対して時効となっていた未払い分の年金(総額7,423万円)を来月15日に支給すると発表した。同法が適用される初めてのケースで、今後も額が確定したものから順次支給していくとしている。
年金記録が無いとされた人が記録訂正の審査を求める「年金記録確認地方第三者委員会」への申立て受付が今月17日に始まり、初日は382件(国民年金195件、厚生年金187件)の申立てがあったことがわかった。申立ては全国309の社会保険事務所で受け付けられ、全国50カ所に設置された地方第三者委員会に送付され、審査される。
確定拠出年金で資金を運用しながら転職時に手続きを忘れるなどして「運用放棄」とみなされている人が、2006年度に8万638人(前年度比約7割増)に上っていることが、国民年金基金連合会の調査で分かった。一定の手続きを行えば転職先にそれまでの運用成果を持ち運べるという制度内容を知らない人が多いとみられる。
領収書など年金保険料を支払った証拠がない人への年金支給の是非を判断する「年金記録確認中央第三者委員会」は、社会保険庁に再審査を求めていたケースなど36件を審議し、そのうち15件(国民年金14件、厚生年金1件)について「記録の訂正が必要」とするあっせん案を初めて示した。同庁は、この案に従って記録訂正と年金支給に応じる方針。
政府・与党は、企業の横領や払い忘れにより、厚生年金保険料を支払っていたのに未納扱いとなっている従業員への年金支給を可能にする特例法案を、今秋の臨時国会に提出する方針を固めた。未納企業からは時効期間2年を超えて保険料を徴収し、すでに企業が存在しない場合は当時の取締役から保険料を徴収することも検討する。
年金記録漏れ問題の原因分析や責任追及を行う総務省の「年金記録問題検証委員会」が中間報告をまとめ、一連の問題の原因は「社会保険庁のガバナンスやコンプライアンスの欠如」や「事務処理システムの不備」にあると指摘した。今後実態調査を行い、今秋をめどに最終報告をまとめるとしている。
保険料納付を示す領収書がない場合などに年金支給の是非の判断を行う「年金記録確認第三者委員会」が支給判定の基本方針を決定し、本人の主張が「明らか不合理でなく、一応確からしい」と判断された場合には、原則として支給の対象とする方針を決定した。全国50カ所に設置される「地方第三者委員会」で17日から審査の受付を行う方針。
厚生労働省は、「年金業務改革本部」を設置し、年金記録漏れ問題への対策を具体化していく方針を決定した。柳沢厚労相を本部長とする本部の下に、「年金記録適正化」「社会保障カード導入」「日本年金機構設立準備」「年金相談・公報」をテーマとする4部会を設置する。
政府は、年金業務の民間への委託を拡大し、納付率が低迷している国民年金保険料の徴収業務についても「市場化テスト」(公共のサービスについて官民が入札で競い合う仕組み)を今年8月にも実施する方針を示した。