政府は、2014年4月に消費税率を8%に引き上げた場合、約3,000万人の低所得者に対し、「簡素な給付措置」として年1万円の給付を行う案を明らかにした。食料品の消費税負担を補う目的で2015年10月に10%に引き上げられた場合には、低所得者の所得税負担を軽くする考え。
2012年度中に保険料率の引上げを実施する健康保険組合(主に大企業)は、約1,400のうち4割程度に達する見込みとなっていることが、健康保険組合連合会の調べで明らかになった。現役世代の減少と高齢者医療の増加等の影響によるもの。
民主党の「歳入庁」創設に関するプロジェクトチームは、現在は日本年金機構が行っている年金に関する給付・加入手続・相談といった業務について、民間企業に委託できるようにする案をまとめた。なお、「歳入庁」創設の時期は、共通番号制度の導入が予定される2015年1月とされている。
政府は、2012年度における基礎年金の不足財源(約2.6兆円)を補うため、当初予定の「年金交付国債」の代わりに「年金債」を発行する検討に入った。年金債は、将来の消費税分で返済を行うもので、政府が規定している新規国債発行上限(44兆円)を守ることがねらい。
厚生労働省が、退職者が受給している企業年金の減額を認める要件の緩和を検討していることがわかった。現在、減額には受給者の「3分の2以上の同意」が必要とされているが、これを「過半数の同意」に下げる案が軸となっており、現役世代への過度の負担を防止することがねらい。また、基金解散要件の緩和も同時に検討されている。
政府は、生活保護受給者が働いて得た収入の一部を積み立て、生活保護から抜けたときに一括還付を行う「就労収入積立制度」(仮称)の導入を検討していることを明らかにした。現行の制度では収入に応じて保護費が減らされ、働く意欲を損なうと指摘されているため。受給者の自立・就労を支援し、生活保護からの脱却を促すことがねらい。
厚生労働省は、運用悪化や現役世代の減少により、10年以内に積立金がなくなりかねない厚生年金基金が17あるとする調査結果を発表した。同省では、給付減額や掛金引上げなどを求めているが、民主党内では「限界がある」として、税金や厚生年金全体の掛金で補う案も出ている。
日本年金機構は、公的年金の記録を管理するために割り振られている基礎年金番号を、1人で複数持っている人が約20万人に上るとする推計結果を発表した。各番号の年金記録が結びつかない場合は実際よりも加入期間が短いと判断され、受給漏れが生じるおそれがあるため、同機構では照合作業を進めている。
厚生労働省は、メタボ検診で腹囲(男性85センチ、女性90センチ)をパスしても、高血圧や高血糖などの危険因子を持つ場合、保健指導を行うよう、事業者や市町村に求める方針を明らかにした。今後の具体的な保健指導については、学会の指針などを参考に検討される見通し。
厚生労働省は、東日本大震災被災者などの国民年金保険料免除の申請期限を、3月末から6月末まで延長すると発表した。対象者約9万人のうち約2万人が未申請のため、日本年金機構が申請を呼びかけているが、連絡がつかないケースが多い。期限延長は昨夏に続き2回目。
政府は「労働契約法改正案」を閣議決定した。契約社員など有期雇用労働者の通算契約期間が5年を超え、労働者が希望した場合には「無期雇用」に転換させる新制度を企業に義務付けることなどが盛り込まれている。契約社員などの雇用を安定させるねらい。
政府は、2012年度の公的年金支給額を0.3%引き下げることを閣議決定した。2011年度の物価下落に合わせたもので、引下げは2年連続。国民年金は4月分から満額支給の場合で月6万5,541円(前年度比200円減)、厚生年金は標準世帯で月23万940円(同708円減)となる。国民年金の保険料も前年比40円下がり、月1万4,980円となる。
厚生労働省は、「特定健診・保健指導」の実施率のアップを図るため、実施率が低い健保組合等に対して、2013年度から財政負担を重くするなどのペナルティーを課す新制度を導入する考えを明らかにした。
厚生労働省が国税庁に対し、年金保険料などを滞納している悪質な事業所からの強制徴収(対象は1社)を委任したことがわかった。強制徴収が実施されれば、2010年1月に国税庁による強制徴収制度が導入されて以来初めてとなる。
厚生労働省が進めているパートなど非正社員への社会保険適用拡大に関して、同省が開催した特別部会において経営団体側は「企業負担が重い」、労働組合側は「適用人数が少なく不十分」として、労使ともに反対意見が出された。