最高裁判所は、成年後見制度に関して、信託契約を活用した「後見制度支援信託」を来年2月から導入する方針を明らかにした。信託契約後は家庭裁判所(家裁)の了承がなければ信託した預貯金は引き出せなくなる。家庭裁判所が関与することで、増加傾向にある親族による財産の横領を防ぐのがねらい。
会社員の「勤労者財産形成貯蓄」(財形)について、零細企業(30〜99人)では11%の従業員が利用しており、5年前と比較して6ポイント上昇していることが厚生労働省の調査で明らかになった。企業年金が整備されていない零細企業などでは老後の備えとして利用する人が増えているためとみられる。
厚生労働省は、厚生年金に関して、標準報酬月額の上限引上げを検討していることを明らかにした。パート労働者などへの厚生年金適用拡大を実施した場合の財源確保が目的。現在の上限の「62万円」(月収60万5,000円以上)を、健康保険と同様の「121万円」(同117万5,000円以上)とする案が出ている。
政府、関西電力、関西広域連合などの自治体は、今冬における節電目標について「前年比10%以上」で調整することが明らかになった。対象期間は12月19日から来年3月23日までで、時間帯は平日の午前9時から午後9時まで。
厚生労働省が2011年「就労条件総合調査」の結果を発表し、3年前と比較して「派遣労働者が減少した」と回答した企業が61%であったことがわかった。業種別にみると、製造業、金融・保険業でその割合が多かった。なお、「引き続き派遣を活用したい」という企業は70%を超えた。
厚生労働省の検討会は、職場でのストレスが原因で発症したうつ病などの労災認定についての判断指針の改正案をまとめた。うつ病発症直前1カ月に残業時間が160時間を超えるか、3週間に120時間以上となった場合には、原則として労災認定することなどが盛り込まれている。
厚生労働省が「就労条件総合調査」(従業員30人以上の4,296社が回答)の結果を発表し、昨年4月から施行された「時間単位年休制度」を導入した企業は7.3%(今年1月1日時点)にとどまることが明らかになった。
政府は、介護報酬について、2012年度の改定で引き上げる考えを示した。引上げ幅は2%以下とする方針で、3年に1度見直しされる介護報酬の引上げは2009年度に続き2回連続となる。職員1人あたり月約1万5,000円を支給する「介護職員処遇改善交付金制度」は廃止とする方針。
日本年金機構が民間に委託している国民年金保険料の督促業務について、電話や訪問で督促した件数が当初計画の約4割しかこなせていないことが、会計検査院の調査で明らかになった。納付実績については、目標を達成した事務所はわずか0.9%だった。同機構では「開始直前の契約だったため人員が集まらなかった」と釈明している。
経団連は、大手企業の今冬ボーナスの第1回集計結果(東証1部上場で従業員500人以上の企業87社が回答)を発表し、平均妥結額が81万480円(前年比4.77%増)で2年連続増加したことがわかった。経団連では「震災や円高の影響を反映し、最終集計の段階ではマイナスに転じる可能性もある」としている。
政府は、「社会保障と税の共通番号制度」に関する法案の次期臨時国会への提出を先送りする方針を明らかにした。6月末の時点では「可能な限り早く法案を提出」としていた。同制度は年金や医療サービスの利用実績、納税状況を把握できるようにすることが目的で、2015年1月スタートの目標は堅持しつつ、来年の通常国会への提出を目指す考え。
警視庁は、通勤・通学時間帯の自転車事故が増加傾向にあるため、自転車通勤を奨励している企業(15社)を集め緊急対策会議を開いた。震災が発生した今年3月から8月末までの通勤時間帯の自転車事故は2,129件で、前年比で4.7%増えている。同庁では、今後も道交法の遵守やマナー向上を訴えていく方針。
厚生労働省は、専業主婦の国民年金切り替え忘れ問題に関して、対応策を盛り込んだ国民年金法の改正骨子案を民主党に提示した。本来受給すべき年金額よりも多く受け取っていた人は、支給額が減額され、過去5年分の差額については返還が求められる内容。対象者は、受給者が約5万3,000人、現役世代は約42万2,000人と見込まれている。
厚生労働省は、高額療養費制度に関して、中低所得者層を中心に自己負担限度額を引き下げる見直し案を発表した。従来の月額上限に加えて年額上限も設定する考えで、70歳未満の場合、年収「約800万円以上」で年額99万6,000円、「約300万円〜800万円程度」で同50万1,000円などとなっている。2015年度までの実施を目指すとしている。
厚生労働省は、年金の支給開始年齢を「68歳以上」に引き上げる案を社会保障審議会(年金部会)に示した。政府の「税と社会保障の一体改革」の内容に沿ったもの。